そうこうしているうちに、父の一回忌を迎えた。
久々に集まった親戚たち。
この時ばかりは、僕たちも兄妹に戻る。
「え?お前ら一緒に暮らしてるのか?」
そう叫んで、叔父は口をあんぐり開けたまま固まった。
僕と桜子は目を合わせて微笑む。
「そっか……。いやあ、驚いたけど、いいことだよな。うん」
叔父が腕を組んで納得したようにうなずいた。
「ふたりが兄妹のように仲良くしてくれて、お前らの親父もきっと喜んでるよ」
そう言って、叔父は空を見上げる。
ちょうど一年前に見たのと同じ、降り注ぐ初夏の太陽が、僕らの真上にあった。
一年……か。
たしかあの時、病院のベンチで、桜子は不機嫌に言ったんだ。
――『煙たい……』
喫煙スペースでそんなことを言う君に、なぜか僕のほうがあやまったっけ。
そこからもう、季節が一周したなんて。