こんなこと言ったら、不思議がられるだろうけど。
僕は
自分の死に方はすでに決っているんじゃないかって
そう思う。
「――あんたの最期」
「え?」
「酒の飲みすぎか、寂しさがつのりすぎて、死ぬよ」
それは僕がまだ、小学生と呼ばれていた頃だ。
うさんくさい占い師が突然声をかけてきて、たずねてもいないのに、僕の一番遠い未来を予言した。
今なら笑い飛ばせる言葉も、小学生にとってはじゅうぶん恐怖の対象となる。
僕はごくりと唾を飲み込んで、校舎の裏で飼っているウサギを思い出した。
寂しすぎると死んでしまうという小さな生き物。
占い師の言うことが本当だとすれば、
僕はあのやたら丸々とした小動物と、同類か?
「似てないんじゃない?ウサギには」
彼女が笑いながら言う。
いや。似てる似ていないの問題じゃなくて。