旭とカゲはそれぞれ、前の空いている席に座る。



「そういえばカゲ、自由曲の編曲出来た?」



「おう!昨日夜中まで頑張ったんだぜー!ちょっと聴いてみ!」



私は思い出したようにカゲに言う。



実は、うちのクラスの自由曲は、カゲの提案である有名バンドの有名じゃない曲をカゲが編曲するということになっていたのだ。



バンドをやっているカゲは、結構本格的に作曲と声楽の勉強をしている。



だから、趣味で好きな曲をジャズ風やらクラシック風に編曲したりもするんだって。