「ねえ…なんか、アルトだけ強くない?」



一番が終わったところで、課題曲の指揮を止めて、私に呟いた。



「実はさ、オケ部の子達が私の言うこと聞いてくれなくて…。」



「ええ!?あいつら真面目そうな顔して結構なことすんのなあ。」



私達のこそこそ話にカゲも混ざって来て、三人で頭を抱える。



「自分らが音楽の専門家みたいに思ってるからなーあいつら。」



「どうしようか…。」



カゲと旭が困っている姿を見て、上手く纏められない自分が情けなくなった。