キヨちゃんは隣にいない。チャイムが鳴った瞬間、チョコバナナの甘そうなジュースを片手にふわふわと教室を出て行った。



とにかくキヨちゃんはマイペース。別に私と馴れ合って一緒にいるわけでもなく、自分でどこかに行っちゃう。



私も彼みたいに強ければいいんだけど、ついこの間まで給食だった記憶しかないから、一人でご飯は刻だ。



しょうがないから、自分の席でお弁当を開く。



開きながら、視線を感じて顔を上げると、先にはリーダーグループの子達が薄笑いしている。



その中で、旭だけは暗い顔をして俯いていた。



くそう…超悔しい。今に見てろ!キヨちゃんみたいな理解者を増やして、旭も取り返すんだから!