そんなキヨちゃんを、今度は私が抱きしめる。



「私が轢かれたくらいで死ぬわけないでしょ?何があっても、キヨちゃんより先に死んだり、離れたりしてやらないんだから!」



根拠なんかないけど、確かに言い切れる。



だから神様は私を選んだんだと思う。自信がある。



キヨちゃんの背中を優しく撫でていると、やがて、左の肩がじんわと温かく湿ってきた。



続いて、嗚咽が聞こえて来て、キヨちゃんが泣いているのに気づく。



私は何も言葉を発さず、キヨちゃんの背中を摩った。