だけど、ぐちゃぐちゃになった顔で、瞳で、キヨちゃんから目線を外さなかった。



外したく、なかった。



「みー、大切になって、かじあさ、も、ことら、も、大切になった。大切に、なればなるほど、失う、のが、怖かった。」



苦しそうなキヨちゃんを見て、涙が止まらない。だけど一つ、引っ掛かることがあって、キヨちゃんに問う。



「…ねえキヨちゃん。その事件があった駅って、学園の裏門を出たすぐのとこ、じゃない?」



このことが正しかったら、もしかして、だけど…。