幼なじみだもん。分かるよ。旭のその顔は、きっと『私に頼ってくれない美和が心配。淋しい。』って思ってるんでしょ。



「大丈夫。頑張ってみて無理だったら、旭を頼るから。」



私は旭をくるりと女子の方に向けて、背中を押した。



旭は一瞬心配そうな視線を私に向けると、躊躇いがちに向こうの集団に走って行った。



私は隣の席を見る。眞木君は、哀れむでもなく、柔らかな無表情で私達のやり取りを見ていた。



そんな彼に、私は言う。



「あだ名、キヨちゃんでいい?名前の漢字の頭からとってみた。」



その言葉に、彼は、柔らかな顔をひそかに緩め、ふわり、と頷いた。