しばらく教室のざわざわと、私と旭の硬直が治らないままだったが、担任がやって来てことで終息を迎える。



眞木君は、別に私に何を言うでもなく、隣で太陽の光に気持ち良さそうに目を細めている。



『まきくん、ありがとう。』



持っていたプリントを破いた紙にこっそりそう書いて机の上に乗せる。



眞木君はその紙をぽやーっと見て、左手でカリカリと何か書き足して私に返す。



『まき君、じゃ、や。せいたろうだから、名前。』



その返事に、私は眞木君の方を向く。すると、眞木君は私にだけ分かるように、とろけるような笑顔を向けた。