私をおんぶして、平気な顔で階段を昇るキヨちゃん。



「キヨちゃん、重くない?やっぱり私、自分で歩くよ。」



「重く、ない。みー、もっと、太るべき。」



確かに植物状態だったせいか前よりは痩せたままだけど、それでも重たいのに、優しいよ。



私はキヨちゃんの首に回った手を少しだけ強くする。



すると、キヨちゃんの家で使っているんだと思うけど、優しい柔軟剤の香りがする。



香水とか、そんな匂いじゃない本当にキヨちゃんらしい優しい匂いに私は安心した。



やっぱり、好き、だなぁ…。