4組の自由曲の発表中、私達のクラスは裏側にスタンバイする。



「皆。私が皆にちゃんと話すのは最初で最後。だから、聞いて欲しい。」



ステージに上がる前に、私は話しておきたいことがあって、皆を止める。



まあ、耳を傾けてくれるのがほんの一部だってことは分かってるんだけど。



「今まで、ホントに私は頼りなかったと思う。頼れるほどの付き合いじゃないし、信用されるには私はまだ、皆と少しの間しか時間を共にしてないから。


でも、一人、二人、協力してくれる人が増えた。だから、私は今日、こうして胸を張って話せてる。


私を信用しろとは言わない。だから、歌の時は、指揮者の二人でも、伴奏のキヨちゃんでも、隣の人でもいいから、誰かを信用して歌って下さい。」



…言えた。自分の、言葉で。