カゲ本人は、旭の言葉がめちゃくちゃ嬉しかったらしく、なんか涙目。



「あ…旭ぃ〜!サンキュー!愛してる!チュー!」



「調子に乗るなキモい!」



二人のやり取りに、男子を中心に、クラスメイト数人が笑う。



やっぱり、この実行委員を引き受けたことがきっかけで、私達は少しずつ、輪の中に入れてもらえてるんだな。



自由曲の指揮者のカゲの指示でキヨちゃんが、音楽室の、少し古びたピアノの鍵盤を奏でる。



そんなキヨちゃんがやけに頼もしく見えて、私は今日一日中聴いていたカゲの編曲したその曲を口ずさんだ。