「やっぱり、選曲ミス、かな?俺は有名な曲じゃなくても、すっげえいい歌詞だと思ったんだけどなあ…。」



両頬に出来た笑窪がなんだか切ない。カゲ、せっかく一生懸命編曲したのにそう言われたらそうなるよね。



流石にカゲが悲しそうにしたから、事の発端の女子達はなんだか気まずい顔をする。



「とにかく、あんたらが何と言おうとうちのクラスはこれで行くから。影虎が一生懸命アレンジしてくれた、私達だけの楽譜なんだから。」



そろそろ我慢ならなかっただろう旭が、苛立ち全開でそう言う。



先に良いことを言われた小町里奈は悔しそうに顔をしかめる。



旭はカゲに媚びを売ろうなんて気持ち一切ないんだろうけどね。