明るい日差しに目がさめた。見覚えのない白い天井をぼんやりと見上げる。
 ひどく広い部屋だった。

 日差しの源は窓。
 壁一面が城でも見かけなかったほど、大きな硝子の入った窓であった。
 そこからまぶしい光が射し込んでいる。

(どこ? ここ?)

 そこで、メディアは意識を失う前のことを一気に思い出した。
 母の命を盾に、黒い翼を持った妙に偉そうな奴に拉致されたのだ。
 我に返ったメディアは、がばりとやわらかな布団の上に起きあがる。

 と、しゃらりと金属的な音がした。
 反射的に音の源に目を走らせると、メディアは驚愕した。

 両手両足にはめられた銀製のリング。それにはエメラルドやルビーなどの宝石がちりばめられているうえに、右足のそれには鉄製の鎖がつながれ、そのままベッドの下に消えている。さきほど鳴った音は、この鎖の音だろう。両手両足のリング自体は、ぴったりとはまっていて少しも動きそうにない。

(なっ!)