「ちょっと。あんた達」


今のあたしに恐怖心なんて感じない。傷の痛みも感じない。

ただ、麻友を怪我させてましてや泣かせておいて、喧嘩を続けるこいつ等を許せない
気持ちしかなかった



「あー?お前なんだよ?」


ヤンキーからしてみれば、あたしなんてただの雑魚。

そんなことはわかってる、けど、1回切れたらもう自分でも自分を止められない


「喧嘩すんのは勝手だけど、あの子ガラスで腕きって泣いてんの」


自分が怪我をしてることはすっかり忘れて話していたあたしの耳には


「やばいよ、あいつ顔切っちゃたよ」


「さすがに顔はヤバイだろ」


って声が聞こえる

でもそんなことを気にしてる余裕はない


「で?」


「で?じゃないでしょ。謝んなさいよ。あんた達の中でけが人つくんのは勝手だけど、あたし達みたいな部外者を巻き込むのはやめて」


言い切ったー

と気が抜けるあたし。

とたんに顔と腕に痛みが・・・・

腕なんてガラスの破片刺さったままだし。笑えるわー


いや、急にヤンキーへの恐怖心も戻ってきて泣きそうになってきた

でもここで泣いたらあたしの負け。


こいつの言い分を聞くまで我慢


「ぐだぐだうっせーんだよ」


バコっ

鈍い音とともに腹部に激痛が・・・

「友それはやばいって」


激痛の中で聞こえた友と呼ばれるやつの名前

状況からしてあたしと言い合って 最終的に殴った奴の名前だろう。