「あ、そういえば俺、こないだ森若ちゃん見たな」
長谷川が、ふと思い出したように言った。

「あそこの靴屋で?」

「靴屋?ああ、違う違う。どこだっけな?どっか道で」

「アバウトだな、お前」

「宮田と森若ちゃんが、そんなことになってるなんて知らんかったから、別に気にとめなかったんだよ」

「まあそうだな」

「だろ?ああ、なんか知り合いっぽい人と喋ってたな」