その瞬間に

いきなり望が顔を上げた





「きゃっ!」


「っ!?」




普通に驚いた

なんでいきなり動くかな…



「ぇ…秋?」


名前を呼ぶ声に

心が熱くなって俯いた


…でも

聞かなきゃならないことがある


俺はすっと視線を上げた

不安そうな瞳をした

望と目が合う




「…何してんの?」


思ったより

低い声が出て自分でもびっくりした


その声に望の肩がビクッと揺れた



でも…

優しく話せるほど大人じゃねぇ。


避けられたこと許せるような

余裕もない。




「ぇと寝ちゃって…」


「…そうじゃなくて」


そんなことが

聞きたいわけねぇじゃん…


多少苛ついてきた




…そして聞いてしまう


「避けてんの?」



口が止まらない



答えを聞くのが怖いのに




「別れたいの?」




俺の口はなんで

こんなときだけ達者なんだろう



自分に苛つく


だって一つも

自分の気持ち言えてない



俺が今言った言葉は


感情もなく

相手を想ってるようで

結局自分を守っている


だから薄っぺらい




今、てゆーか

俺はいつも

自分のことばっかりで。




そりゃあ

振られても仕方ないかもな…











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