供述調書4:社長秘書、星野美奈(AKB48)

「エーンエーン。社長ぅ~好きだったのにぃ~。ヒック、ウワーン」

星野美奈は、名前とルックスともにAKB48の3列目あたりにいそうな乙女だ。
その乙女が人目をはばからず泣きじゃくっているので、おじさんの原田刑事は
「よしよし、今日はもうおうちに帰りなさい」
と言いたくなるのを堪えなければならなかった。
しばらく泣き続けていたが、西刑事に促されやっと話し始めた。

以下は、星野美奈の供述調書である。

「ヒック・・・私は社長をお連れしました。秘書課の電話が鳴ってたのでぇ、社長とは廊下で別れました。社長は私を見て、『じゃ、また後でね』って言って・・・それが最後でした。電話を受けているときに銃声が聞こえて・・・ウワ~ン」

「私、この課に配属されてまだ半年なんですけど、社長と二宮さんは最初、すっごく仲良かったですよ?信頼しあってるっていうか、そんな感じが傍目にも伝わってきました。これ、見てください。私が撮ったお気に入りの写真」

星野はしゃくりあげながら、ポケットに入れていた写真を取り出す。
座っている二宮の首に、後ろから一島社長が手を回し大げさに抱きついている写真。二宮は嫌がるような素振りで腰を浮かせながらも、中途半端に笑みを浮かべている。

「社長はあぁ見えてイタズラ好きなんで、こんなふうに二宮さんのことをいじって楽しんでました。二宮さんもほんとはまんざらでもない、みたいな感じで。だから、余計にショックだったのかな、突然ロンドンに飛ばされたことが・・・ヒック」