生きているんだ。


無理矢理にでもそう思いたかった。



だってまだ

約束は果たされてないんだから。






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「えっと…あなたが、瑞紀さん?」


お葬式終了後、私は見知らぬ女性に声を掛けられた。


喪服姿は暗い印象を受けるけれど
よく見ると綺麗な人だった。



「えっと…すみません。どちら様でしょうか?」

戸惑いながらもその女性に問いかける。


「すみません。申し遅れました。
 私は…、私は翔太の母の美里と申します」




そう言ってフワっと笑った彼女は
そっくりすぎて…

悲しすぎて……




一瞬私の周りの空気が変わった気がした。