あたしたち一年生は、それぞれの教室にもどった。



不幸なことにも、あたしと真子は離れてしまって、あたしはただぼんやりしていた。



なんで彼方先輩じゃなかったんだろう。


あんなにも元気で明るかった先輩が学校を休むなんて、とてもじゃないけど考えられなかった。



「ねぇ!名前。なんていうの??」


声をかけられて顔を上げてみた。


あたしの目の前に座っている髪の長い女の子。


キレイな形のいい瞳が印象的だった。


「あたし?松井明音っていうの!そっちは??」


にっこりと微笑んで彼女はいった。


「私は京野 千里!

ね、友達にならない?」


あたしはちらっと真子を見た。


真子も真子で仲良くなった友達と話しているらしかった。


「もちろんっ☆

千里ってよんでもいい?」


「いいよん♪

じゃあ私も明音って呼ばせてもらうね!」


それからずっと千里と話していた。


可愛いというよりはキレイというカンジのする女の子だったけど。


性格は明るくておもしろかった。


すっかり意気投合したあたし達は、話題が自然と入学式のハナシに切り替わった。