あたしたちは早速座席に着いた。


あたしはぐるっと教室を見回してみた。


明るい子達が多いみたいだし、楽しいクラスになりそうだな♪

そこに先生が入ってきた。


「今日からこの1年A組の学級担任を努めさせていただく、小野優といいます!
 一生に一度しかない高校生活をみんなで楽しみましょうね!」

あたしはこの後の入学式にドキドキしていた。


だって代表の挨拶で彼方先輩がステージに立つんだもんね。


ドキドキしないほうがおかしいよね!?

あたしの事を覚えてくれてるかな?



あれからもう1年たったんだ。

あたしは久し振りに見る彼方先輩の姿を想像している。

きっと前よりもカッコよくなってるんだろうな。

髪とかも染めてたりしちゃうのかな?


茶色? 


それともそのまま黒髪?


身長だってきって伸びてるよね。


あたしはこのとき、絶対に彼方先輩が出てくるって信じてた。


あのやさしい彼方先輩のままで。