歩き慣れている透子は、上の空。
「何か言いたいことがあるんじゃないか?」
家を出る時、葛さんに羨ましがられた。
『良いなぁ、あたしも今度デートしてもらおうっと!』
あの人も無邪気に笑う…。
頭に浮かぶ回想は、あまり関係はないもので。
「え。」
図星なのか、ぎょっとした顔でこっちを見る。
「…この前、高校最後のライブをやって。」
「へぇ。」
春のライブを初めて見に行ったけど、沢山の観客がいた。
人気がある。それを一瞬で悟る。
「スカウトされた。」
…な。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…