2人の背中を見送って、職員室に向かう。

「…失礼します。」

何年か経った今でも、その雰囲気は慣れない。

違う生き物の中に混じったように視線がこっちを向いている。

「音宮さんのお父様ですか?」

多分、担任教師であろう人の怪訝な顔。

「はい。」

若いからか、いつもそう見られてきた。