額へのキスがイギリスの習慣のせいで、親しくしていたのは家族だからで、あの子が言っていた浮気だとかが兄を慕うあまりのことで。
そうだとしたらほとんどの出来事につじつまが合う。

「だから…藍姫は家族としては好きだが、それ以上の感情はない。
俺は…凪を愛してるよ。
友達とかそんなんじゃなくて、恋人として。」

その言葉に胸がドクンッと跳ねた。そしてその拍子に涙が急に溢れてきた。

「……っ…」