「前に、舞瀬が教室に携帯を忘れたのに気がついて。
それで委員会の活動場所まで届けようとしたら、たまたま見たんだ。
舞瀬が藍姫って子が仲良さそうにキスをしている所を。」

「凪、それは…」

「分かってる。
あの子と付き合ってんだろ。
かわいいもんな。」

自分で言って、泣きそうになる。
しかし俺の口の勢いは止まらず、どんどん言葉が出て行く。

「違うんだ。凪…」

「違わないだろう。
俺のことなんて好きでも何でもなかったんだろ。
そう言っていたじゃないか。」

「あれは…」