‥笑っていた涼汰が
急に真面目な顔をする。

「美冬、がんばれよ?」

その言葉は
重くて、力強くて。

「ありがとう」

すべての想いを込めて
あたしは、そう言った。

「握手、しよっか」

涼汰が言った。

「‥え?」

「スタートするための握手」

‥もうお互い振り返らない。
ここからがスタート。

踏み出さないと、
道は開けないから。

涼汰が左手を差し出す。
あたしも右手を差し出す。

固く、強く、

あたし達は握手をした。