温かくて嬉しくて
初めて感じる想い。

「美冬、泣き虫になったね」

「‥うるさい」

あたしがそういって
涼汰の顔を睨みつけると、
涼汰は涙でくしゃくしゃに
なったあたしの顔を見て
吹き出した。

「ちょっ‥見ないでよっ」

「あはははは」

涼汰の楽しそうな笑顔で
あたしも面白くなってきて

2人で顔を見合わせて
笑った。

"男女の友情"なんて
ありえないと思ってた。

でも、あたしと涼汰の間に
確かに"男女の友情"は
存在していて。

こういう関係もありかな、
って思った。

ほら、

さっきまでの重い気持ちが
もう、軽くなった。

誰かと気持ちを分け合うと
"気持ち"の量は変わる。