ホテルに入ったあたし達は
部屋へと向かった。

長い夜の始まりのキスは

ブラックコーヒーと
煙草の味がした――。


それは、17歳のあたしには
早すぎたようで。

ココアしか飲めないあたしには
苦すぎたようで。

甘さが欲しくて、
愛が欲しくて、

もう、偽りの
「愛してる」なんて、
聞きたくなくて。

愛されたい想いは
強くなる一方で。