一口飲んだ徹は

「…甘っ」

と一瞬、顔をしかめた。

…なんてことない間接キス。
普通のキスもしたはずなのに。
なぜかドキドキが止まらなくて
なぜか飲めないはずの
ブラックコーヒーが
飲みたくなって。

「…苦っ」

あたしも徹の真似をして、
顔をしかめた。

恋しくて、愛しくて。
……もう遅かった。
あたしは徹に、恋をした。