あたしはしばらく、元の帰っていく姿を…じっと、見つめていた。






黒い、コンクリートの道。




その上に咲いたうすピンクの小さな傘は、まるで。





…季節外れの、紫陽花みたい。







その可愛らしい傘は、やっぱり元にはちっとも似合っていないけれど…




なんだか、とても…








──愛しい。





        《END》