触れあっている肩から肩へ、緊張が伝わってしまわないかって…そんなことばかり、心配してしまう。



「…なんか、梅雨みたいなふり方だね」


雨のことに、話をそらした。




「うん、春はやっぱポカポカじゃないとな」

「…ポカポカって…それはそれで、元が授業中寝ちゃうじゃない」


…今度はあたしが、意地悪い笑みを彼に向ける。


「…お前、俺そんな寝てねぇぞ?」


「六時間中、四時間寝てたのに?」


「…誰に、聞いた?」


「翔太くん」




…元のむくれた顔に、さらに笑みが漏れた。




傘の下にのぞく、履き潰されたスニーカー。



なんだかやっぱり左肩だけが熱いのは…気のせいじゃない。


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