「君は、接客が苦手だって言ってたよね?」

「はい。うまく御客様と話せないし、好きじゃないです。」

「それだ!!!!」

「え?」

私の言葉がかき消され、

「店長!時間が....!!!」

「分かってる!」

さっきのパティシエールさんが大きな声で紘也さんを呼んだ。

お店の外には、記者会見場へのバスが止まっていた。

ミロネのパティシエさん、パティシエールさんが乗り込んでいく。

「さ、時間がないんだ。君も早く乗って!」

「で、でも.....!」

「早く!!!!」

「は、はぃぃぃぃ!!!!」

結局、「それだ!!!!」の意味はわからなかった。

紘也さんがあまりにも焦っていたので、私はそれに従うしかなかった。

急いでバスに乗り込んだ。