ケーキのことも、お店のことも、全て忘れてた。

その時の私は、ただ守ってほしくて。

ただ、彼がまぶしくて。

握りしめられた手は、力強くも優しかった。

広く、安心できそうな彼の背中を見つめながら、

彼に誘導されていく。

魅了されてく――――――――――