「…うん!」 先生が差し出してくれた温かい指。 あたしはそれをしっかり握って歩き出した。 「…ああ、そうだ!! さっき優香って呼んでくれたよね?」 「え? そうだっけ?」 「呼んだー!! また呼んでよ」 「…イヤ」 「ええぇ?」 「だってお前も先生って呼ぶじゃん」 「え~」 あたしは立ち止まって、深呼吸をした。 「…隆弘っ」