「千春お手紙ありがとう。
とってもうれしい。」


「うん。」


元気よくうなずく千春。


本当にうれしい、千春ありがとう。


「枕もとに置いといたんだけど、手紙気づかなかったみたいだね。」


悟に支えられながら、布団に戻る。


「目が覚めて、すぐ名前呼んだのに返事がなくて。」


あなたを犯罪者にしてしまいました。


「そう、名前呼んでくれたんだ。
小百合可愛すぎ。」


呼んだのは、達也と千春なんだけど、うれしそうにしてるから、


まっ、いいか。


「達也くん言ってたんだけど、吐く風邪かもって。
気分は?」


「吐きそう。」


「えっ、ちょっと待って。」

慌てて悟が洗面器を持ってくる。


「千春ちゃん、保育園行く用意しようね。」


「うん。」


千春が部屋から出ていく。

うまい、吐く所見せなくてすむ。


洗面器を顔の前に出して、背中をさすってくる。


ちょっとこれ、お風呂で使ってる洗面器じゃない。


吐いたら、今晩のお風呂入る時使えない。


千春、保育園って、今行ってないし。


いろいろ言いたい事があるのに、気持ち悪くて話せない。


モウダメ………。