気持ち悪さを抱えながら、フラフラと悟に支えられながら歩いてく。


「どっち行くの?」


「北口」


「タクシー乗り場行くよ。」

「うん。」


「タクシー乗るよ。」


「うん。」


「住所は?」


「歩くよ。」


「鍵は?」









気持ち悪い、吐きそう。


あまりの気持ち悪さに目を開けると、見慣れた天上。

うちだ。


うち?


どうやって、うち?


慌てて起き上がろうとしたら、頭が上がらない。


グラグラする。


静かな部屋。


「達也、千春。」


返事がない。


「達也、達也、千春、千春。」


静かな部屋。


頭に浮かぶのは、悟。


まさかあいつ子供たちに。

布団からはいずりながら、部屋のドアを開ける。


「達也、千春。」


いない。


いない。


どうしよう。


達也、千春どこ?


「はぁはぁはぁ。」


涙があふれる。


泣いてる場合じゃない、しっかりしろ。


警察、警察だ。


携帯はどこ。


ー ガチャガチャ ー


鍵を回す音。


誰?