「千春、夕飯「いや、さとるおにいちゃんきてから。」」
もう時計は6時。
携帯に電話してもつながらない。
悟がいない部屋は、いつもの生活なはずなのに全然違う。
昨日の夕飯とは全然違う。
千春は、私が夕飯を作るのを許してくれない。
達也はただ黙っている。
空気の重い部屋。
悟どうしたの?
もう来ないの?
泣きそうになるけど、、子供たちの前では絶対泣くもんか。
ー ピンポーン ー
「さとるおにいちゃんだ。」
千春がドアに走って、急いで開ける。
そこにいたのは、高校生ぐらいの男の子。
…………誰?
「ぱんのおにいちゃん。」
「こんばんは千春ちゃん。」
千春の知り合い?
「パン屋のお兄ちゃん。」
「こんばんは達也くん。」
達也も知り合い?
その男の子は、私に目線を合わせる。
「田中小百合さんはいらっしゃいますか?」
いらっしゃるもなにも、
「私ですが?」
「えっ。
悟の彼女の田中小百合さんですか?」
私であってるよね。
「私です。」
「えー。」
なんかすごく驚いてる。