「悟お兄ちゃん、8分たったよ。」
「ありがとう達也。
じゃ、これでパスタが出来たっと。
お湯熱いから、離れて。」
目が覚めれば、夕食を作る三人の声。
よかった。
涙があふれる。
「よしOK。
小百合呼んで来るね。」
ー トントン ー
「小百合起きて、えっ。」
泣いてる私に気づいて慌てる悟。
「どうした小百合。」
「だって、だって。
悟と達也と千春いるから。」
「へっ?
えっと、三人帰ってきたから泣いてるの?」
コクコクと何度もうなずいた。
「もう、小百合可愛い。
淋しがりなんだから。
早く帰ってくるって言ったでしょう。」
だって悟が金目当てかと思った。
もう帰って来ないかもって思ったんだ。
布団から起こされて、抱きしめられる。
「今日はミートソーススパゲティーだよ。
まぁ、パスタゆでて、レトルトのソースかけただけだけどな。
達也と千春待ってるから行こうな。」
悟に支えられる私。
もうだめ。
この手をもう離せないよ。
悟、結局あなた事何も聞けなかった。
何も知らないのに、私もうあなたから離れられない。