「だっで、あざごばんが、おみぜが、ほいぐえんが、ひっく、ひっく、ふぇーん。」


私、こんな朝ごはん、この子たちに食べさせたことなかった。


「大丈夫、大丈夫だから。」

悟が抱きしめてくれ、優しく背中を撫でてくれる。


「悟お兄ちゃん、お母さんは。」


達也の心配そうな声。


「お熱いっぱいでたからね。
病気のせいだから、大丈夫だよ。
達也も千春ちゃんも心配いらないからね。」


二人を安心させる優しい声。


「う゛ん、お母さん、お熱でて苦しかったの。
でももう大丈夫。」


二人とも安心したのか、ごはんを食べはじめる。


「小百合大丈夫?」


悟が心配そうに見つめる。

「うん、大丈夫、体すごく楽。」


「そっか、じゃお粥食べようか。
俺料理できなくてレトルトなんだけど、梅粥と鮭粥どっちがいい?」


「梅粥がいいかな。」


「ちょっと待ってて。」


悟は小さな台所で、レトルトをなべで温めはじめた。