あぁ、……よく…寝た。
「さとるおにいちゃん、おさらこれだよ。」
「お、ありがとう千春ちゃん。」
「僕、お箸ならべたよ。」
「達也もありがとう。」
いいにおい。
ソースのにおいかな。
「悟お兄ちゃん、焼きそばおいしい。」
「ちはるも、ちはるも、やきそばおいしい。」
「ほんと、おいしいな。」
二人とも楽しそう。
4月に達也が小学校に入学してから、ずっと二人だけで夕飯食べさせてきたから。
「二人とも、もう少し小さな声な。
小百合寝てるから。」
「「うん。」」
「お母さん大丈夫かな。」
「大丈夫だよ。
さっき薬飲んだから、少しは楽になってると思うよ。」
確かに体楽かも。
薬飲んだ記憶ないけど、飲ませてくれたんだ。
横を見れば、洗面器、タオル、スポーツドリンク、薬が置いてあった。
田中 悟。
あいつなにものだろう。
名前だって本名かあやしいし。
でも何かするつもりなら、もうしてるよね。
取られるお金ないし。
私の体目当ては……ないな。
もしかすると、達也と千春目当ての危ないやつか?
とにかく様子みてみよう。