「本当にいいのか?ここで…」


「いいんですよ。ここが…」



私と凉さんがやってきたのは、遊園地でも美術館でもショッピングモールでもない…



「わぁ…気持ち~!」


「ああ、いいなこういうのも。」



目の前に広がるのは、広ぉ~い緑の草原。

風に揺れる木々、遠くに見える3人家族の幸せそうな風景。



なだらかな丘のような場所に持ってきたレジャーシートを敷いてそこへ2人並んで座った。



心地いい日差しとそよ風に思わず大きく深呼吸したくなる。



「真子。」


「はい?」



隣りで日差しに少し目を細めた凉さんが私を呼んだ。


今の凉さん、写メ撮っときたい。。
何だか新鮮な感じ…。



「せっかくの初めて2人で出掛るのに、もっと行きたいとこあったんじゃないのか?買い物とか映画とか…定番ってやつ。」



やっぱり変かな?初デートが緑地公園でピクニックって。



「確かにもっと凉さんと行きたい場所とかありました。」


「じゃあ、何で…」


「買い物とか映画とか遊園地とか…またでいいんです。私は凉さんとのんびりしたかったんです。…嫌でした?」



こんな初デート…嫌だったかな…?
もっと普通の女子高生みたいに、あそこ行きたいとかあれがしたいとか言った方が良かったかな…?



「ばか、嫌な訳ないだろ?…なんか真子らしくていい。」


「そうですか?」



ん?私らしいのかな?
首を傾げていると、突然凉さんにグッと引き寄せられた。


きゃーっ////な、な、何だろう??