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結局、仕事が終わった孝幸に駆けつけてもらった。


だって、あのままじゃ私の手に終えなかったんだもん。



「それで、テルが預かることになったのか。」



「ああ。でも、まさかこんなに可愛いげのないガキんちょだとは思ってなかったし。」


「そう?快斗くん、可愛いよ?」



素直に感想を言ったら、お兄ちゃんは私を涙目で見つめてくる。


ところで快斗くんがうちに来た経緯は…



「大学の先輩の子どもねぇ。
お前の子どもじゃないよな。」



孝幸は一応という感じでお兄ちゃんに聞いていた。


「香苗さんとはエッチしてません。」


「お兄ちゃ、子供の前で…」


「エッチってなにー?」


ほら。お兄ちゃんのばか。

快斗くんの無邪気な質問に答えたのは、
孝幸だった。


「快斗が大人になった時にだけ分かる、
秘密の言葉だよ。だから、それまでは絶対喋っちゃダメだぞ?わかった?」


「ひみつのことば?何かカッケー。
うん。わかった!喋んない!」



孝幸…さすが。
カッコよすぎるよ。


孝幸って、いいパパになるね。絶対。

ってことは…私がママ?キャー/////


って脱線してる場合じゃなくて…



「香苗さん、シングルマザーで仕事バリバリやってる人なんだよね。今回は急に1週間海外に出張らしくて…ベビーシッターも捕まんなくて、たまたま偶然あった俺に頼んだって訳。」



香苗さんって先輩はお兄ちゃんが昔色々お世話になったらしくて、断れなかったみたい。


でも、赤ちゃんの時の快斗くんしか見たことなかったらしく、こんな無邪気な男の子になってるなんて露知らず…



「快斗くん、1週間よろしくね♪」


「うん!俺、
ひとみちゃんと一緒のお布団でねるー!」


「うん、いいよ♪」


「こらー快斗!瞳と寝ていいのは俺だけだ!」



と、誤解を招くような発言で対抗してきたお兄ちゃん。



もちろん、孝幸に怒られてシュン…



さて、お兄ちゃんの1週間パパ生活。


何かが起こる予感…がしなくもない。