とりあえずほっぺにチューするのはさすがにやめてもらった方がいいかな。


そんな事を考えながら、家のドアの前でたち止まる。



ーーーーーガチャ……



「ただい……」


「瞳っ…」



ドアを開けた途端に、お兄ちゃんが泣きそうな声で抱きついてきた。


こんなに寂しがり屋だったっけ。

あ、こういうとこからちゃんとしてかないと…



「お兄ちゃ……」


「ひとみぃ♪♪」



お兄ちゃんに一言物申そうとしたと途端、
今度はとびっきりテンションの高い可愛い声が聞こえたかなっと思ったら私の足に抱きついてきた。


え?ついにお兄ちゃん、分身の術ができるようになった?



何が何なのか分からず、私は抱っこちゃん達に抱きつかれたまま固まっていた。



「うぇ~い、テルいるかぁ?」



そんなところへ、タイミング良くタケさんがやってきた。


タケさん!助けて!



「おいおい、玄関先でイチャイチャしてんなよ~。全く、呆れたラブ②兄妹だぜ。」



いやいや、タケさん!
状況把握して。空気読んで!



「ん?なんだ、このちっこいの。」



やっと、私に抱っこちゃんするのがお兄ちゃんだけじゃないのに気づくタケさん。


固まる私を助けたあと、とりあえず部屋に入った。



一体、何がどうなってるの?