「ごめん、
俺唯ちゃんの気持ちには応えられない。」


「え…」



「俺が欲しいのはそういうことじゃない気がするんだ。だから…ごめん。」



俺は戸惑いを隠せないでいる唯ちゃんをおいて、その場を去った。



かっこいいとか、頭良いとか…俺はそういうのどうでもいいんだ。


俺が欲しいのは…



「瞳…?」



俺の歩く先に瞳の後ろ姿が見えた。


それもひとりじゃない…男子と一緒だ。


このとき俺の中ですでに何かドロドロした感情が芽生えた。



『俺、ひとみのこと好きなんだ!』


「え…中谷くん?」


『ずっと好きだったんだ。』



小学生の恋愛ってこんなにストレートなもんなんだ…。


てか、中谷くんってなんだよ。


なんで一緒に帰ってんだよ。
大輝はどうした?


俺の前で告白なんかしやがって…



「ごめんね?私中谷くんのこと
友達として好きだよ!
気持ち…すごく嬉しいよ。ありがとー。」



俺もあんな風に唯ちゃんに言えば良かったのか?


男子が走って帰って行く姿を見つめながら、瞳の元へゆっくりと向かった。