小さい頃から瞳が可愛くて仕方なかった。


瞳が赤ちゃんの頃からずっと成長を見てきた。



妹のように大事だった。



好きだと気づくのは、意外と簡単なことだった。



気づいたら、瞳をひとりの女の子として好きになってた。




まさか9つも離れた瞳を好きになるなんて…信じられなくて、認めることができなかった。



でも、そんな俺の気持ちを確信させるちょっとした出来事があった。



――――――・・・



「塚本くん…私…塚本くんのこと…」



瞳のヤキモチ事件もあってあまり会わないでいた唯ちゃんと帰り道をともにしていたある日の放課後。



なんとなくは分かっていたけど…
唯ちゃんから好きだと言われた。



唯ちゃんはまさにお嬢様って感じで可愛くていい子で…男からしたら確実に付き合いたいって思う子。



でも、俺は…



「俺のどこが…いいの?」



俺がそう訊ねると、唯ちゃんは恥ずかしそうに頬を赤く染めると…



「かっこいいし、頭良いし、優しいし、
パパがね、お付き合いするなら塚本くんみたいな男の子にしなさいって。」



なんだ…そういうことか。