「お前じゃなければ、誰が犯人だ?」

 高基教諭はアリスを責めることを楽しんでいるようだ。

「先生、美田さんは犯人じゃありません。他に思い当たる人がいます」

 子吉沢は証拠がないが、昨日考えた推理を話すことにした。

「ほう、言ってみろ!」

 高基教諭は怪訝そうな顔をして、威圧をしてきた。

「本がなくなった日は一時間目が音楽だったので、みんな音楽室に移動したんです。そして、音楽室から帰ってきた二時間目には本がなくなっていたんです。この一時間の間に本はなくなったことになります」

「そうだな」

 高基教諭も一応、うなずいた。