「それも、ありうるな!」

 高蔵は馬屋に言われ、反論するよりもうなずいた。

「やっぱり、ここは、聞きこみをしないと駄目ですね。リーダー!」

「よーし、聞きこみに行くぞ!」

 高蔵は馬屋に翻弄されていたので、舵を取り返す意味も含めて、大きな声で言った。

「あの……」

 笈滝は体を小刻みに震わせている。

「何だ?」

「塾があるんで……帰りたいんですけど……」

 笈滝は勇気を振り絞って高蔵に言った。