『…ごめん』



『…ひどいよ…、悠登…私初めてだったのに…。』



里緒菜のファーストキスがまだだったことに、驚いたり、安心したり、俺の心はもう大変

そんな俺をよそに、次の瞬間…里緒菜はとんでもないことを言い出したんだ。



『…キスってもっと気持ちいいのかと思ってた。』



…なっなにぃっ?


『気持ちいいって…お前、それってさ…』


『それって何よ、』


やましいことをしてしまった後だけに、睨むような里緒菜の視線に太刀打ちできない。


嫌われたくない一心で、里緒菜に向き直り、謝ろうとした瞬間



『…決めたっ、私、初エッチは慣れてる人とするっ』




…そこ違うだろ…



慣れてる人と、じゃなくて


好きな人と、だろっ


『あっ違った…、慣れてる人じゃなくて…、上手い人』



『…あのさ、慣れてるとか上手いとか…見た目じゃわかんねぇじゃん…』



『キスすればわかるよ、きっと』


『………………』





この瞬間、俺の中で何かが崩れた

恋だ愛だってそんなの関係ねぇっ



この日を境に俺は変わったんだ。





里緒菜の理想の男になる

そして…里緒菜を抱きたい



それまでせいぜい処女守っとけよっ


それは全て、俺のリベンジと、
里緒菜のため…