悠登は溜め息をついて、私の鼻を摘んだ。


「余計な心配すんなっ」


「いひゃい…」


「…もうそういうの止めたんだ」


「何で…?」


「何でもっ!!」


摘まれてた鼻をさすりながら、悠登の後を追う


「…変なの…」


「……お前のが変だろ」


「私のどこが変なのよ」


「初めては慣れてる人とするとかなんとか言ってたじゃねぇか」



「…………」



悠登が覚えてたことに驚いた


「…でも真紀に怒られたよ…、そういうことは、本当に好きな人とするもんだって」


「…真紀もたまにはいいこと言うじゃねぇか」


悠登は何故か悲しそうな顔でそう言って、私から視線をそらした。



「昼近くになれば、取り巻きもどっか行くだろ…、したらさ、先輩に持ってけよ弁当…」


「悠登はどうすんの?」



「俺はこの辺で食うから、気にすんな」



気が付けば、周りに人の姿はなかった


「…私も一緒にここで食べるよ」


「何言ってんだよ、早起きして作ったんだろ?先輩のために」



…また…悲しそうな顔




「あ〜小泉里緒菜発見!なになに?俺のために弁当作ってくれたの?」


茂みの中から突然現れた人に二人同時に振り向く



「「真人先輩っ!?」」