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バスに揺られやってきました臨海公園


海が近いせいか、潮の香りがして風が心地いい


犬の鳴き声が遠くに聞こえて振り返ると、慶吾先輩がタマとバスから降りるところだった。



「…あれか?お前が世話することになった犬は」



遠目でタマを見ながら悠登は苦笑い


「まだ駄目なの?犬」

「犬と同じバスじゃなかったことに感謝するよ…」


悠登は大の犬嫌い

小さいころ野良犬に足を噛まれてから…なんてベタすぎる理由。


「お前、どうすんの?慶吾先輩のとこ行かなくていいのかよ」


「…あれじゃ行けないよ」

慶吾先輩とタマを囲んで、女達がポジション争いしてる


…そんなうまく行くわけないんだよね


お弁当どころか話すことも出来ないかもしれない



「……んじゃ、その辺ブラブラすっか」


「うん」



平日ということもあり、見渡す限り同じ学園の人だらけだ



「…悠登…、私のことなら気にしないでいいよ」


「なんだよ急に」


「…だって私がいたら、可愛い子誘えないじゃん」